事情を説明してくれた夕穂が、ケータイを閉じてオレの手を握る。


「夕穂……?」


一瞬ビックリしたけれど、上目遣いで見られちゃ敵わない。


ニッコリ微笑み返すと、そのまま野々谷家に向かって歩き出した。


「やっぱりあの2人、両想いだろ。確実に」


「だよね。早くくっついて欲しいなぁーーー」


つい昨日までモノクロだった景色。


大切な子が隣にいるってだけで、物凄くキラキラして見えた。


「夕穂――――…今度こそずっと一緒にいてくれよ?」


ギリギリ夕穂に聞こえない位の声で呟き……繋がった手に、力を込めた。