夕日塔の約束

「あの……悪いんだけど、こんな事聞きに来たんなら帰って下さい。私…もう傷つくの、嫌なんです……」


稚鶴と宮迫君に背中を向けて、膝を抱え込む。


これ以上日希の事を考えると、頭がおかしくなっちゃいそうだった。


そうなる前に帰ってくれと敬語で頼んだ………のに、宮迫君が動き出す気配はまるで無し。


チラリと彼を見ると、何だか怒っている様な気がした。


えっ……なんで………?


「野々谷、確かにお前も苦しかったのかもしれないぜ?だけど日希だってこの1年間苦しみ続けて来たんだぞ」


宮迫君の声は、いつもよりも低くて硬い。