夕日塔の約束

「日希………大丈夫?」


「……えっ……」


我に返って顔を上げると、心配そうな夕穂がしゃがんでオレを見ていた。


「顔色悪いけど、具合悪いの?早く帰って寝た方がいいんじゃない?」


夕穂がソッと、オレのオデコに手を当てる。


それだけでオレは真っ赤になり、言葉が出なかった。


やっぱり……夕穂は優しい。


勝手な事ばかりして、言ってるオレを、心配してくれるなんて――――…


「日希?……キャア!!」


意味が分からない衝動にかられて、オレは夕穂の腕を引っ張り、ガバッと抱きしめた。


「なぁ…夕穂」