夕日塔の約束

俯いて顔が見えない日希をキッ!と睨みつけ、私は用具室から出ようとした。


ハードル運びを頼まれた事は頭の片隅にありはしたが、今は余裕が足りない状態。


少し罪悪感はあるものの、運ぶのは日希に押しつけてやるっ!!


後一・二歩歩けば、外に出るって時だった。


「……行くなよ……ごめん」


また私を後ろから抱きしめて、日希が弱々しく呟いた。


「ちょっと………!?」


ビックリしていると、今度はあっさり離れる日希。


そのままハードルを持ち上げ、私の横を通り過ぎ……


「今度こそ、守り通すから………泣くな」