夕日塔の約束

遠回りになっちゃったけど無事に美術室に着き、決まった席に座りながら、稚鶴が小声で言った。


私はボーーーッと、美術室内を走り回ってる男の子達を眺める。


「ちょっとアンタ達!高2にもなって鬼ごっことかやめなさい!!」


「ああ?別にいいじゃねぇかよ遠藤ーーー」


「学級委員長だからって調子乗ってんじゃ」


ガンッ!!


稚鶴が無言で机にグーを叩きつけ、男子生徒を睨む。


鬼ごっこをしていた男の子達は、「「「………すみませんでした」」」とビビり顔で謝り、慌てて席に座った。


「ア、アンタ…手ぇ大丈夫なの?」