ないものを探すのがたいへんなくらい。
だから東京になら、きっとサイコーのカレシになってくれる男の人がいると思う。
そして運命の出逢いは駅前のコンビニにちゃんと用意されてた……。
ある朝、大学のお昼休みに食べようとコンビニでお菓子を買おうとしたあたしは、何のきなしにレジにお菓子の箱を置いた。
「おはようございます。いらっしゃいませ」
でも、なぜか、お菓子の箱を見たとたん、若い男の店員さんの表情が固まった。
「あ…」
「…!」
驚きに目を見開いてよく見ると、お菓子の箱に血がついているのが分かった。
「て、店長!」
慌てレジ脇の部屋に駆け込む店員さん。
あせって目が泳ぐあたし。
入り口のドアの脇に『防犯カメラ作動中』と書かれているのが目に付いた。
“あたし別に悪いことなんかしてないよっ”


