そう思ってはいるんだけど、防犯カメラの存在がすごく気になる。

あたしは、あせって落ち着かなくて、血のついたお菓子の箱と、店員さんと店長が話しているのを交互にチラチラと見た。

あたしの後ろに並んでいるお客さんのことも気になる。

後ろをチラ見してみると、時間を気にしてるのか腕時計を見ていて、お菓子の箱についた血のことには気がついてないみたい。


でも、もうこれ以上ココにはいたくない。

あせったあたしは…、

「あの、あたし、もうコレいりませんからっ」

…って言ってレジの前から去ろうとした。


すると…、

「あ、待ってください」

…って言う店員さんの声が背中から聞こえた。


「…!」

ビクッとして立ち止まるあたし。

「すいません、お客さん」

「………」