自分の部屋に帰ると虚しさが広がる。


なんだか人恋しくなるんだ。


さっきまで郷と一緒にいたせいなのかな。



ぎゅっと自分を抱きしめるようにしてあたしは眠りにつく。






……………






『お母さん!お母さん!』


あたしの小さい頃?



『ねぇなんで?なんでお父さんはいなくなっちゃったの?』


幼いあたしの質問はしてはいけないことだった。


母は泣いていた。


ただひたすら泣いていた。


答えを知った時はもうあたしたちは……。




「!ハァ…ハァ………ッ!」


玲子はガバッとものすごい勢いでベッドから上体を起こした。


玲子の額は冷や汗をべったりとかいていた。


玲子は息を整えながら汗を拭う。


久しぶりに昔のことを夢に見た。



一体どうしたんだろう。


今日、郷と母親について話したせいなのだろうか。


思い出したくもないのに。


玲子は再びベッドに横たわる。


これから話題には気をつけよう。


もう嫌な思いはしたくないし。


玲子はぎゅっと目をつむり、無理やり寝ることにした。