君のために僕は泣く

その玲子の一言で少しだけ太陽の顔が曇った。


「前から思ってたんだけどさ、どうして玲子ちゃんは俺と話したくなかったり、一緒にいたくないの?」


太陽の思わぬ言葉に玲子は少し驚いた。


玲子が太陽に対して話したくなかったり、一緒にいたくないのを太陽が理由をわからないにせよ、気づいていたからだ。



「そんなの当然でしょ。あたしとあんたは関わらない方がお互いにとっていいからよ。」


この玲子の言葉に太陽は少し驚いたような表情を見せた。


「えっ、なんで?」



「なんでってメリットがないからよ。あたしはメリットのない人とは関わらないって決めてるの。だからさ、もうこういうことするのやめてくんない?」



玲子は冷たく鋭い瞳で太陽を見る。



「じゃあ俺が玲子ちゃんにとってメリットのある人になれば関わってくれるってことだよね?」



「はぁ?」



太陽の思わぬ返事に玲子は呆れたような間抜けな言葉を発してしまった。


「えっ、だってそういうことだよね?」



「まあ、そういうことになるのかもしれないけど。」


太陽に詰められるように言われたので、玲子は肯定的な取り方で言ってしまった。


「じゃあ俺、玲子ちゃんにとってメリットのある人になるからさ。これからもよろしくね!」


太陽はぐっと親指だけ立てて爽やかな笑顔で言った。