そして翌日。


自宅のマンションから出てすぐに憂鬱の原因が姿を現せた。


「玲子ちゃん!」


太陽は嬉しそうに笑いかけながら近寄ってきた。


最初はビックリしたが、すぐ玲子はため息を吐いた。


「…朝から一体何?人の家の前まで来て、あんたストーカー?」


玲子は眉間に皺を寄せながら言った。


「昨日話してもらえなかったからさ、担任の先生に住所教えてもらったんだよ!今日から一緒に学校行こうよ!」



玲子の話に対する返事は玲子の期待するものとは大きく違っていた。


「そういうのをストーカーって言うのよ。」


玲子は嫌みっぽくそう吐き捨てるとスタスタと歩き始めた。



「あっ!待ってよ!」



太陽は慌てて玲子を追いような形で歩き始める。


少しすると太陽の身長が高いせいか玲子の隣まで歩いてきてしまった。



「玲子ちゃん、歩くの早いね。」


「そうかもね。」



ニコニコと話かけてくる太陽に対して顔を向けることもなく冷たく返事を返す玲子。



「こんなふうにまた玲子ちゃんと一緒にいられるの嬉しいなあ。」


太陽は幸せそうな顔をして言ってくる。



「あたしは一緒に学校行っていいなんて一言も言ってないけどね。」