白い女性は生きる者の人間の男に恋をした。
白い女性は力をつかい彼を死なない人間にした。

長い月日が経った…
黒い女性は死なない人間がいるのに気付いた。

黒い女性は白い女性を問い詰めた。
白い女性は否定した。否定を繰り返すうちに世界に歪みが生じた。

黒い女性はその歪みを正すために、男を殺し、死んだ者の世界に閉じ込めた。


白い女性は彼を探した…探して探して探して――いつしか自分の仕事をしなくなっていた。

黒い女性は彼を愛した…愛して愛して愛して――いつしか自分だけの者にしようとしていた。
世界の均衡は崩れた。

月は二人の女性の行動を見て嘆いた。

そして、二人の女性を始まりの地によんだ…

月は二人の女性を咎めた…

二人の女性は月に話した

月は二人の女性から彼を取り上げた。

二人の女性は彼を取り上げられまた元の生活に戻った。
ほんの少しの間だけだった…


二人の女性は喧嘩を始めた。
彼を取られたのはお前のせいだと
彼を愛したのは私が先だと


二人の女性は月に言った
世界は要らない、彼を返してと

月は二人の女性から力を奪った

二人の女性は月に怒った。
月は二人の女性を人間にした。

二人の女性は彼を愛せると思った。