「・・・いた。」


嘘。
何で現れる!!中田隆!!


「さっきはゴメン。言い過ぎた。許してくれる?」


顔を手で覆って隠していたが、指と指の隙間から彼の顔を覗く。


・・・子犬ちゃんがいる!!


そして許してくれるか?って問いの返事にゆっくり頷いた。


「野球には、バッテリーてのがあってピッチャーとキャッチャーの事でそれが夫婦って表現すんだよ。」


『・・・えっ?』
何それ。
パートナーみたいな、バディみたいなって事?

「だから俺と笹木は夫婦って事。」


・・・早く言ってよ


中田隆が私の手を顔から離して涙を拭ってくれる。


「・・・でさ。笹木に言った事、俺には言ってくれないの?」


『・・・言えない。』


「・・・お願い。」


もぉ無理だ。

私は中田隆に抱きついた。
顔見られたくないし、恥ずかしい事言うんだからこのくらい許して欲しい。