「ひゃっ、そっ、そんなことっ!」 言い当てられて、思わず体をのけぞらせる。 ――ドクンドクンドクン。 すると、智哉は、優しく微笑んだ。 「安心しろ。綾華のイヤがることはしないから」 そう言って伝票を持ち、さっさと会計に行ってしまう。 えっ、なにそれ? どういうこと!? あたしはあわてて席を立ち、智哉のあとを追った。 「オレンジかウーロン茶、ホットがいいなら、コーヒーか紅茶、なにがいい?」 智哉は家にあがるとすぐに、あたしに聞いてきた。