駅ビルに戻り、レストランで、さんざん迷ったあげく、ハンバーグを選び、食事を済ませると。 時計を見ながら、智哉が聞いてきた。 「綾華んちって、門限、何時?」 「あぁ、今日は9時って言われたけど……」 そうつぶやいた瞬間。 「あぁっ!」 思い出した! あたし、今日、おねーちゃんが帰ってくるまで、家に入れないんだった! お父さんとお母さんは田舎に行って、明日まで帰ってこない、 そして、あたしは合鍵を持っていない……。