「まぁ、これだけ居酒屋があるんだから、現場にちょうど居合わせる可能性も低いだろ」 智哉は、頭上に輝くたくさんのネオンを見上げて言う。 たしかにね。 あたしも、赤や黄色の色鮮やかな看板をあおぎ見る。 すると。 「それよりさ、俺、腹減った。綾華は?」 「あぁ、そうだね。 あたしもおなかすいた!」 「じゃ、遼ちゃんの言いつけどおり、駅ビルのレストラン行くか」 「うん!」