「智哉?」 後ろから声をかけられ、振り返る。 「あっ……」 そこにいたのは、遼子さんだった。 隣には、まえに、雄太を捕まえたガタイのいい刑事さんもいる。 「あら、綾華ちゃんも一緒?」 「こ、こんばんは……」 これから、居酒屋に行くところだから、後ろめたくて、声が小さくなった。 でも、智哉は、いつもどおりのトーンで聞き返す。 「遼ちゃんこそ、なにしてんの?」