「ほら、綾華、なにしてんの!」


ドンと背中を押された。


「わわっ!」


バランスを崩して、智哉を取り囲んでいた男子の間から、智哉の胸に倒れこむ。


智哉は、びっくりしたような顔であたしを受け止めてくれたけど……。


ちょっとこれ、メチャクチャ恥ずかしい体勢なんですけど!


まるで抱き合ってるみたいじゃない?


当然、周りのチャラ男たちは、冷やかしてくる。


「おー、綾華、積極的ー!」


「やるねぇ!」


あたしは、あわてて智哉から離れた。


「やっ、ち、ちがうからっ!
誰かに押されたんだってば!」