そのタイミングは、隣の子と、ほぼ同時。 隣の男子と智哉が、飛び出した。 「行けーーーっ!」 「がんばれーーーーっ!」 「智哉ーーーっ、そこだ、抜けーーー!」 応援の声が最高潮を迎えている。 隣のクラスの応援席も、すごい。 「そのまま引き離せーーー!」 「抜かれるなー、逃げ切れー!」 負けじと、あたしも声を限りに叫んだ。 「智哉ーーーっ! 抜いてーーー!」 智哉は、一着だったクラスとほぼ横一線に並んで走っている。 そして、最後のストレート。