「おまえ、なんか勘違いしてねー?」 智哉の冷たい声があたりに響いた。 「え?」 ピタッと、ひびきの動きが止まる。 「おまえと綾華とじゃ、比べるまでもねぇよ。 綾華の方が、見た目も中身も、数段、上だから」 「なっ、なに言って……」 「だいたい、雄太はどうしたんだよ? つい1カ月前まで、雄太追っかけてたんじゃねーの? 男が欲しいだけなら、おまえがいいってヤツ探せよ。 俺は、綾華がいいから」 うわぁ……。 智哉の、あんな冷たい表情、初めて見た……。 クラスのみんなも固まってる。