唇をかむあたしを見て、ひびきはますますうれしそう。 するとひびきは、クルリと、後ろを振り向き、 あたしの方を心配そうに見ていた智哉に、話しかけた。 「ねえ、智哉、あんなグズやめて、あたしにしたら? あたしの方が、スタイルだっていいし、ダンスもうまかったでしょ?」 ひびきは、これ見よがしに、智哉にせまりだした。 ウソ……。 ヤダ、ちょっとやめて! 自分がなにされてもガマンするけど、智哉には、近寄らないで! 耐えられずに、ひびきにつめ寄ろうとした、そのとき。