黒縁メガネ男子に恋してる


ひびきの取り巻きたちは、「そうよそうよ」と口裏を合わせている。


一瞬、言い返そうかとも思ったけど、グッと飲み込んだ。


だって、グラウンドでは、もう次の競技が始まろうとしている。


こんなとこで言い争ってたら、クラスの代表で競技に出ているメンバーに、申し訳ない。


応援しないと。


でも……。


「綾華って、もうちょっと踊れるかと思ってたけど、がっかりだったなー」


「でしょぉ?」


チャラ男のひとりがつぶやき、それを聞いたひびきが、うれしそうに笑っている。


……やっぱり、悔しい。