あたしが、ちょっと太ってるからって真喜子を見た目だけで判断して、いじめるひびきたちを非難して、
『変わるべきなのはひびきたちの方で、真喜子はダイエットする必要なんてない』
って言ったら、智哉は、
『現実には、偏見って、なくならないから、その偏見の目に対抗するために、やせようとするのはアリだ』
って、言ってた。
きっと、あのときも、智哉は妹さんのことを思い出してたんだろうな。
妹さんの障がいは、たぶん、治したくても治せなかったんだろうな。
世間の偏見の目に、対抗する手段がなかったんだと思う。
でも、真喜子は、ダイエットして、偏見に対抗しようとしてたから、
変われるものなら、変わればいいって、
きっと、智哉は、そう考えたんだね。


