「相手を知る機会があるのに、知ろうとしないで、見た目だけで判断するのは、俺もよくないと思うよ。 でも、初対面の第一印象は、どうしたって、見た目で判断するしかない。 それとこれとは、話が違うだろ?」 「あぁ、うん……」 「それに……」 「うん?」 「俺のさ、妹が、そうだったんだ」 「えっ? 妹さん?」 突然出てきた「妹」という言葉に、驚く。 智哉、ひとりっこじゃなかったの? 智哉の顔を見つめると、あたしの心の声が聞こえたみたいに智哉は言った。 「去年、死んだんだ」 「え……」