「綾華だって、期待してただろ?」 「なっ!」 するだけすると、パッと手を離し、さっさと先に立って教室に向かう智哉。 もぉーーーーーっ! 悔しいっ。 でも、キスされてうれしく思ってる自分もいて……。 ――ハァ。 先が思いやられる……。 大きくため息をついたあたしは、とぼとぼと智哉のあとを追って、教室に向かったのだった。