黒縁メガネ男子に恋してる


ふたりして、ほっと息を吐く。


失敗しちゃった……。


智哉に解放されてから、手を合わせて「ゴメン」と謝ると、

智哉はあたしの頭の上に、ポンと手を置き、軽くにらんできた。


小さく首をすくめると、智哉は表情をやわらげ、話を続けた。


「犯人は、前科のある、チンピラみたいなヤツらしい。
で、雄太は最初、居酒屋でそいつに『ちょっと小遣い稼ぎしないか』って話を持ちかけられたんだってさ」


「そうだったんだ……」


未成年の雄太が、居酒屋でなにをしてたかは、今は流すとして。


「じゃぁ雄太は、オレオレ詐欺だって知らないで、徳井さんから受け取ったお金を、その人に渡してたの?」


「あぁ、警察では、そう言ってるらしい」


「そっか……」