黒縁メガネ男子に恋してる


「あと、雄太のこと、学校では誰にも言わないようにって」


「あぁ。うん、わかった」


「それと、金をだまし取ってたのは雄太じゃなくて、アイツは金を運ぶ手伝いをしただけらしい」


「えぇっ、そうなの?」


思ってもみなかった話に、驚きで、つい声が大きくなる。


「じゃぁ、オレオレ詐欺の犯人は、べつにいるってこと?」


そのままの音量で聞くと、智哉は慌ててあたしの口を手でふさいだ。


「しーっ! 声、でかい!」


「ふぐぐっ……」


あたしの口をふさいだまま、智哉は辺りを見回す。


大丈夫、そばにはだれもいない。