「あと、雄太のこと、学校では誰にも言わないようにって」
「あぁ。うん、わかった」
「それと、金をだまし取ってたのは雄太じゃなくて、アイツは金を運ぶ手伝いをしただけらしい」
「えぇっ、そうなの?」
思ってもみなかった話に、驚きで、つい声が大きくなる。
「じゃぁ、オレオレ詐欺の犯人は、べつにいるってこと?」
そのままの音量で聞くと、智哉は慌ててあたしの口を手でふさいだ。
「しーっ! 声、でかい!」
「ふぐぐっ……」
あたしの口をふさいだまま、智哉は辺りを見回す。
大丈夫、そばにはだれもいない。
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