急いで自転車を置いて、智哉のもとに走っていくと。
「ちょっとこっち来て」
智哉はあたしの腕をつかみ、ひと気のない、特別教室棟の裏に引っ張っていく。
「えっ、なに?」
ま、まさか……、おはようのキス、とか?
いやいやいや、それはないよねっ!
自分で自分に突っ込みつつ、にやけそうな顔を引きしめて、ついて行くと。
「雄太のことなんだけど」
「え、あぁ……、うん」
まったく色気のない話に、ちょっとがっかり。
あー、いや、べつにあたし、期待してたわけじゃないからねっ!
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…