智哉が、あたしの耳に顔を近づけてきたのがわかった。 耳に息がかかって、くすぐったい。 首をすくめると、智哉がささやいた。 「あとさ、綾華がまだなのは、俺にとってはラッキーって思ってる。 それだけは、雄太に感謝してる。 俺のためにとっといてくれて、サンキュってさ」 まだ? とっといてくれて……? それって……。 ――ボンッ! 意味がわかったとたん、頭の中でそんな爆発音が聞こえた。 イヤ――――――ッ! 「と、智哉のバカーーーッ!」