顔を上げると、智哉は真剣な表情で語りだした。
「俺さ、今日カラオケで、雄太の顔、ぶん殴ってやりたかった。
でも、その時はまだ、詐欺の証拠つかんでなかったから、黙って聞いてるしかなくて」
「……うん」
「そしたら、その直後に雄太のケータイに電話がかかってきて、こっそり聞いてたら、取引があるらしいことがわかって」
「うん」
「俺、そのとき、こんなクズ、警察に売り渡してやるって思ったんだ」
「あぁ……」
そうか、それで、あの作戦。
「でも、綾華は、雄太に詐欺をやめさせようとした」
「うん」
台無しにしちゃったんだよね、あたし。


