唇をとがらせると、智哉がまた笑う。 「すげぇ、かわいい」 きゃぁーーーーー! もう、ムリッ! 恥ずかしすぎて、逃げだしたい。 でも、智哉にがっちり抱きしめられていて、そうすることもできない。 あたしは、なんとかこの甘い雰囲気を吹き飛ばそうと、頭をめぐらせた。 そ、そうだ! さっき、不安に思ったこと。 あれを聞いちゃおう! よしっ! あたしは自分に気合を入れて、顔を上げ、口を開いた。