「ホントにわかってんの?」 さらにもう一回、コクンとうなずくと、智哉は、あたしの頬に手を添えた。 そして、唇に親指をすべらせる。 く、くすぐったい! でも、あたしの唇を見てる智哉の視線が、なんだか色っぽくて、ゾクゾクしちゃう……。 じっと智哉を見つめていると、やがて智哉の視線は、唇から目に上がってきた。 そして、ゆっくりささやく。 「じゃぁさ、ホントにわかってるって証拠、もらおうかな?」 証拠? 深く考える間もなく、智哉の顔がゆっくり近づいてきて……。