――ドキドキドキドキ……。 認識したとたん、心臓が一気に速度を上げた。 ウソ、信じられない……。 なにも言えずにいると、しびれを切らしたらしい智哉が、少し体を離して、顔をのぞきこんできた。 メガネの奥のきれいな瞳が、じっとあたしを見つめる。 うぅっ、息が止まりそう……。 「聞いてるか?」 うん。 コクリとあたしはうなずく。 「で? 返事は?」 うん。 またひとつうなずく。