たとえあそこであたしが雄太を説得できていたとしても、雄太は遼子さんたちに捕まってただろう。
でも、警察がいようがいまいが、
目の前で、友達が犯罪を犯すのを、黙って見てるなんて、あたしにはできない。
真喜子のときだって、そうだった。
真喜子に万引きさせないために、あたしはとっさに動いてた。
真喜子は大事な幼なじみで、雄太は最低な元カレで、その違いは大きいけど、
それでも、友達の犯罪は見過ごせない。
でも、智哉にそれをうまく説明できる自信がなくて、黙りこんでると。
「あんだけサイテーなことされて、それでもまだ雄太かばうって、綾華、アイツのこと、まだ好きなのかよっ?」
……え?


