雄太のこと、心配しちゃいけないの?
「なんでって……、クラスメートが警察に連れてかれちゃったら、誰でも心配するでしょ?」
そんなのあたりまえじゃない?
そう思いながら、智哉を見つめると、智哉は眉間にしわを寄せて顔をそむけた。
「なんで、あんなヤツかばうんだよ……」
それを聞いて、あたしはあせった。
「いや、かばってはいないよ?
雄太がしたことは明らかに悪いことだし」
そのあたしの言葉にかぶせるように、智哉は顔を上げて言う。
「でも、綾華、アイツが金を受け取る前に飛び出しただろ?」
あぁ……、それは、たしかに。


