黒縁メガネ男子に恋してる


「ねぇ、智哉、どうしたの?」


智哉の不機嫌の理由がわからなくて、前を行く智哉に呼びかけた。


静かな駐輪場に、あたしの声が響く。


すると、智哉はやっと足を止めた。


でも、振り返ってあたしを見た顏は、まだふくれている。


だけど、訳もわからないまま、こんなふうなのはイヤだ。


あたしは、智哉に近づいて、もう一度聞いた。


「ねぇ、なに怒ってるの?
あたし、なにかした?」


すると、智哉はやっと口を開いてくれた。


「なんで雄太のことなんか心配すんだよ?」


「……え?」