智哉のあとについて、駅裏から、駐輪場のある駅の表側に向かい、


雄太のことを考えながら、うつむきかげんに歩いていると。


「あれ? 綾華?」


すれ違いざまに呼び止められた。


見ると、見覚えのある男。


中学でつるんでいた仲間のひとりだ。


ついでに言えば、雄太と別れてから、かなりしつこく言い寄ってきていた男。


その頃のあたしは、誰とも付き合う気がなかったから、サラッとかわしてたんだけどね。


「あぁ、ひさしぶり」


挨拶を返すと、そいつは、愛想笑いしながら近づいてきた。