黒縁メガネ男子に恋してる


興奮して、どんどん声が大きくなるのを自分でも止められない。


あたしは、頭に血が昇って、支離滅裂にわめきだした。


「このおばあさんはね、徳井さんって言って、あんたがサボったあとに、オリエンテーリングであたしたちを助けてくれた人なの!
マラソンの罰ゲームを回避できたのは、この徳井さんのおかげなの!
その徳井さんが、オレオレ詐欺に引っかかって、でも息子さんには知られたくないから、警察には言えないって困ってて、
それで、あたしたちで犯人見つけて、お金取り戻そうって決めたの!
そしたら、雄太が犯人って、どういうことよ!
この、大バカ雄太っ!」


叫び終えて、あたしは雄太の顔を一発ひっぱたいてやろうと、足を踏み出した。


だけど。


「やめとけ」


後ろから、智哉に腕を引っ張られ、止められる。


「ちょっ、智哉、離してよっ!」