「ダメッ!」
「は? 綾華?
なんでおまえ、こんなとこにいんの?」
目を丸くしてる雄太を、にらみつける。
「そんなこと、どうでもいい!
それより雄太、あんた、自分がなにしてるかわかってんの?
オレオレ詐欺って、完全に犯罪だよ?
あんた、刑務所に入りたいワケ?」
「え? いや、俺はそんな……」
驚いてしどろもどろになってる雄太に、たたみかける。
「あんたはもともとサイテーなやつだけど、まさか犯罪にまで手を染めるなんて、思ってなかったよ!
あんたのことなんか、大っ嫌いだけど、
でも、元カレが警察に捕まるなんて、そんなのあたしは見たくないの!
今ならまだ間に合うから、このあいだ、この人から取ったお金、返しなさいっ!」
「なっ、なんでおまえがそんなこと、知ってんだよ!」
「あー、うるさいっ!
口答えしてないで、あんたはさっさとお金を返せばいいのよ!」


