黒縁メガネ男子に恋してる


智哉は、ケータイのビデオで、ふたりの様子を撮影している。


徳井さんは、だまされてるのわかってるはずなのに、持っていた手提げから、封筒を取り出した。


きっと、あの封筒の中に、お金が入ってるんだ。


雄太は、封筒を見て、ニヤついている。


あー、ダメだよ!


渡しちゃ、ダメッ!!


もうーーーーっ!


考えるより先に、体が動いていた。


「えっ、綾華!?」


背後で智哉の声が聞こえたけど、


気づいた時には、あたしは、徳井さんと雄太の間に、両手を広げて立ちはだかっていた。