「やっぱり、あいつだったんだ。
今日これから、また徳井さんから、金をだまし取るつもりだ」
「えっ、また?」
徳井さんの、小柄な丸い顔を思い出す。
あの、優しそうなおばあさんから、またお金を取るの?
怒りとともに、ちょっと意外な思いも、心に浮かんだ。
もし雄太が犯人だったとしても、次は、別の人をだますんだと思ってた。
そう智哉に言うと、
「ほら、徳井さん、警察に通報してないだろ?
それで雄太、まだ、徳井さんがだまされたことに気づいてない、と思って、またカモろうと思ったんじゃないかな?」
「あぁ、そういうこと……」
なるほどね。


