でも、あたしはその男の顔に見覚えがなかった。 「なに?」 ぶっきらぼうに聞くと。 「俺と付き合わねぇ?」 「はぁ?」 その瞬間、あたしの中でたまっていた怒りが、爆発した。 「あのねぇ! あんた、バッカじゃないの? あたし、あんたなんて知らないし! あんただって、あたしのなにを知ってるワケ? 見た目が派手だから、誘えば、ホイホイついてくと思った? 冗談じゃないわよ! あたし、彼氏いるし! あんたとなんて、付き合うワケないでしょ! さよならっ!」