黒縁メガネ男子に恋してる


結局、全員で、もう少しやることになったみたい。


バタバタと片づけを始めたみんなを手伝って、散らばった型紙や布をたたむ。


裁縫って、家庭科でやったことあるけど、あたしはちゃんと完成させたことすらない。


真喜子もすごいけど、ここにいる子たちはみんな、これからこの型紙を使って、応援団全員分の衣装を作るんだから、


あたしからしたら、衣装係の子、みーんな、すごいと思うよ。


「綾華ちゃん、片づけ手伝ってもらっちゃってごめんね」


荷物を持ち、すまなそうに言う真喜子に、笑顔を返す。


「ううん、気にしないで。
じゃ、あたし、先に行くね」


全員で教室を出ると、まだこれから作業するらしい真喜子と衣装係の子たちに手を振って、あたしはひとり、自転車で家に帰った。