「あ、おつかれー」
応援団の練習を終え、ひびきたちが帰った頃を見計らって教室に戻ると、衣装係の子たちが声をかけてくれた。
その中に、真喜子もいる。
「綾華ちゃん、おかえりー」
「ただいまー。どう? 進んでる?」
近寄っていくと、ひとりが、衣装をかかげて見せてくれた。
「見て見て!
これ、真喜子がサンプルとして家で作ってきてくれたんだけど、すごくない?」
赤いタンクトップの襟ぐりや袖まわり、それにウエストのあたりにも斜めにキラキラの金のテープが縫いつけてあって、
胸元には、アルファベットが飾られている。
「えっ、“AYAKA”って、これ、あたしの?
わー、すっごい、かわいー!」


