黒縁メガネ男子に恋してる


「ホント、ゴメン」


手を合わせて謝ると、真喜子は笑顔でブンブン首を振った。


「ホント、謝らないで。
でも、綾華ちゃん、すごいね。
最初は、私の方が速いくらいだったのに、今じゃ綾華ちゃんの方が速いんだもん。
きっと、もともと素質があったんだね」


「ええっ、それはないよ!
あたし、走るの、めちゃくちゃ苦手だよ?」


「2週間前まではね。
でも、今はもう、普通以上に走れてると思うよ。
綾華ちゃんの今日のペース、高1女子の平均より速いもん」


「えー、マジで?」


「うん。
さぁ、あとちょっとだね、残りもがんばろう!
ゴメンね、止まらせちゃって」


「ううん、じゃ、いこっか」


あたしたちは、また走り始めた。