「ごめんね、綾華ちゃん。
ペース速くて、ついていけなくなっちゃった」
「えっ、あたし、速かった?」
「うん、ちょっとね。
あ、でも、私が遅いせいだから」
言われて時計を確認すると、たしかにいつもよりペースが速い。
「わぁっ、ゴメン、ゆっくり行こうって言ったのに!
あたし、考え事しながら走ってて……」
「ううん、ホントに、私が遅いだけだから」
笑顔で「気にしないで」と繰り返す真喜子。
だけど、どう考えても悪いのはあたしだ。
真喜子のダイエットのためのジョギングなのに、真喜子を置いて行っちゃうなんて。


