黒縁メガネ男子に恋してる


「ごめんね、綾華ちゃん。
ペース速くて、ついていけなくなっちゃった」


「えっ、あたし、速かった?」


「うん、ちょっとね。
あ、でも、私が遅いせいだから」


言われて時計を確認すると、たしかにいつもよりペースが速い。


「わぁっ、ゴメン、ゆっくり行こうって言ったのに!
あたし、考え事しながら走ってて……」


「ううん、ホントに、私が遅いだけだから」


笑顔で「気にしないで」と繰り返す真喜子。


だけど、どう考えても悪いのはあたしだ。


真喜子のダイエットのためのジョギングなのに、真喜子を置いて行っちゃうなんて。