「綾華ちゃーん、ちょっと、待ってー!」 真喜子に呼び止められ、我に返った。 「えっ?」 気付くと、並んで走っていたはずの真喜子が、隣にいない。 「あれっ?」 振り返ると、真喜子は10mほど後ろにいた。 ヘロヘロになりながら、こちらに向かってくる。 「えっ、真喜子、大丈夫?」 驚いて駆け寄ると、真喜子は、膝に手をついて立ち止まり、はぁはぁと息を切らす。 呼吸が整うと、真喜子は顏を上げた。