黒縁メガネ男子に恋してる


「誰にも言わないでね」


そう前置きして、あたしは、真喜子がひびきたちに万引きさせられそうになったことを話した。


話を聞き終えた智哉は、大きくため息をつく。


「そういうことか……。
まぁ、そんなことじゃないかとは思ってたけど。
でも、未遂で済ませられてよかったな」


「うん」


「そっか、それで中嶋、ダイエットしたいって言ってたのか。
なるほどな」


「うん……」


うなずきながらも、あたしはやっぱり完全には納得できなかった。


そんなあたしの様子を、智哉は見逃さない。


「うんって言うわりには、浮かない顔だな?」