「誰にも言わないでね」
そう前置きして、あたしは、真喜子がひびきたちに万引きさせられそうになったことを話した。
話を聞き終えた智哉は、大きくため息をつく。
「そういうことか……。
まぁ、そんなことじゃないかとは思ってたけど。
でも、未遂で済ませられてよかったな」
「うん」
「そっか、それで中嶋、ダイエットしたいって言ってたのか。
なるほどな」
「うん……」
うなずきながらも、あたしはやっぱり完全には納得できなかった。
そんなあたしの様子を、智哉は見逃さない。
「うんって言うわりには、浮かない顔だな?」


