メガネ越しの視線に、ちょっとドキッとする。 ヤバい。 緊張してること、バレないようにしないと。 「ん?」 そっけなく返事すると、智哉は、真剣な声で聞いてきた。 「中嶋がさ、『ひびきたちに、もうデブって言われたくない』って叫んでるとこから聞こえたんだけど、 ひょっとして今日、なんかあった?」 智哉のメガネの奥の目は、真喜子を心配してる。 あぁ、そうだった。 昼休みに、ひびきたちに注意するよう、真喜子に伝えてって、智哉から頼まれたんだよね。 だったら、智哉には全部報告しておかないと。