黒縁メガネ男子に恋してる


「こっちの方が、食材のカロリーは詳しく載ってるけど、自分で計算したことないなら、この本の方が……」


すると。


「ちょっと智哉、ストーップ!」


「あ?」


突然割り込んだ遼子さんを見あげる智哉。


遼子さんは、智哉ではなく、真喜子の方を見た。


「えっと、真喜子ちゃんだっけ?」


突然遼子さんに名前を呼ばれ、真喜子は弾かれたように背筋を伸ばす。


「はい!」


「あぁ、そんなに怖がらないで大丈夫よ」


遼子さんは笑いながら、真喜子の隣に座った。