「あぁ。チャリならうちまですぐだし。
ほら、綾華もチャリ出せって!」
「えっ!? あたしも?」
急に話を振られてびっくりしてると、
あたりまえだろ?と言わんばかりの表情であたしを見る智哉と視線がぶつかった。
なんで、あたしも?
でもまぁ、真喜子も不安そうな顔してるし、
真喜子よりあたしの方が智哉とは親しいし、
つい昨日、智哉の家にも行ったんだし。
ここはあたしも一緒に行くのが、あたりまえ、なのかな……?
うーん、ま、いっか。
深く考える間もなく、先を走り出した智哉のあとを追って、
あたしと真喜子は自転車を走らせたのだった。


